【朝鮮民主主義人民共和国】
西暦1998年8月31日の北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)のテポドン発射実験からすでに1年が過ぎた。そして、西暦1999年初頭には不審船事件が起きている。これらの動向により、日本政府は安全保障上の危機を唱え、有事立法の法制化に本腰を入れだした。
この、不審船事件ははっきりいって、政府がガイドライン法案の成立を早めるために、あえてポーズを取ったものであり、このような不審船は日常茶飯事に日本近海に出没している。テポドンの発射実験については、日本本土を跨いでの実験であり北朝鮮が主張するように、たとえ人工衛星の発射実験であっても国際的には事前に通告するのが常識である。いずれにしても、日本周辺の軍事的脅威の最たるものが北朝鮮にあるので、日本の立場に立って北朝鮮を分析してみたい。 問題点を整理するために以下の三点について意見を述べてみる。
@ 北朝鮮の軍事的脅威について。
A 北朝鮮暴発の可能性と予測される経過について。
B 北朝鮮の今後の動向について。
では@について。北朝鮮が持つ軍事力は非常に大きなものだ。陸上戦力だけを比較しても100万人であり、日本のそれと比較して約7倍の兵力規模である。
しかし、これらの陸上戦力や航空・海上戦力は、さして日本に脅威を与えないとわれわれは考えている。なぜなら、海を隔てている北朝鮮の戦車や大砲は日本に直接的な行動はとれず、かりに輸送船で運ぼうにも日・米・韓の海上戦力にはとうていかなわない。
制空権については北朝鮮が一時的にも制空権を取ることさえ、現在の状況では不可能であろう。なぜなら、北朝鮮の常備兵力の動向は、常に軍事衛星によって監視されているから。われわれが考えている北朝鮮の軍事的脅威はテポドンに代表される長距離ミサイルと不審船事件等の表だった軍事活動としてではないテロ行為の2つである。
まず、ミサイル問題であるが、これは日本の安全保障を根底から脅かすものである。日本を仮想敵国とする国で、なおかつ戦略・戦術核ミサイルの照準を日本に向けている国はいままでも存在した。しかし、北朝鮮ほど明確な攻撃意志を表し、なおかつそれをはばかることなく公言する国家の出現は重大なる脅威である。政府は早急に日本の安全保障を再検討し、ミサイル監視・防御両面の対策をとるべきである。
さらに、国家の重大危機に対する防衛力(いわゆる自衛隊)の効果的活用を法制面で早急に整備し、これがため法解釈に限界あることが明白な現行憲法の改正を断行しなければならない。これは日本の存続といったきわめて重要な安全保障上、避けては通れない道である。
つぎに北朝鮮によるテロ行為について。大韓航空機爆破事件に見られるように、北朝鮮は国家テロを、その政治的目的の達成に使用する国である。そして、より積極的に日本を攻撃しようとするとき、北朝鮮は必ずこのテロ行為を日本に浴びせて来るであろう。ここでは簡単に述べるが、地下鉄サリン事件のようなテロや、送電線支柱切断事件等の北朝鮮関与の疑いが濃いもの。そして、数年前から新聞の片隅に報じられるようになった「朝鮮半島北部」からの気球飛来事件などは、その目的が不明であるゆえに非常に不気味だ。
この気球には小さなプラスチック製の円筒形の筒と、時限装置と思われる乾電池をふくんだ回路がぶら下がっている。今のところこの円筒形の筒は空であるが、何らかの意図を持ったものであることは確実なようだ。
これらのテロ行為に対する有効的な対策は無い。強いて言えば北朝鮮工作員の日本侵入を防ぐべく、海上警備を厳重にすることである。しかし、合法的に日本に入ってくる朝鮮人や韓国経由で日本に浸透するスパイを、事が起きる前にすべて摘発するのは不可能である。
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