殺身仁成 − 李秀賢さん、関根史郎さんを追悼する 【事故のあらまし】 平成13年1月26日、JR東日本・山手線新大久保駅ホームで、酔漢が線路へ転落したのを助けようと、二人の男が線路へと飛びおりた。 一人はカメラマンの関根史郎氏(47)、もう一人は韓国人留学生・李秀賢氏(26)、二人は、折り悪しくホームに入ってきた電車にはねられ、酔漢とともにあたら生命を失った。 関根氏は老母と二人暮らし、李氏は荒川区内の日本語学校に通いながら新大久保近くのインタネーットカフェでアルバイトした帰り道のことだった。 【事故後の反響】 マスコミでこの事件が報道されるや、二人の弔いには数多くの一般人が訪れ、テレビ報道などでも、数日間にわたって全国的に非常な感動を口にする人々が絶えなかった。 新大久保駅のJR職員は、事故後半月足らずたったいまも、終電を見送ったあと、ホームにて二人の御霊に黙祷をささげ、政府はこの二人を総理大臣顕彰することに決した。また、新大久保の商店街の婦人たちによる見舞い金カンパの運動では、80万円足らずが道ゆく人から寄付されたという。 さらに、読売新聞報道「新大久保の勇気の輪」と題された記事によれば、この事故後、ホームから転落した妊婦を救おうと数名の人々が協力して救出作業にあたったなど、同様のシチュエーションで同様のことを試みたケースが何件か報告された(すべて無事救出)。 【当會より】 去る1月26日、JR東日本・山の手線新大久保駅にて、線路に転落した一酔漢のため、カメラマン関根史郎氏とともに自らの生命をかへりみず救出にあたろうとした李秀賢青年の勇往なる行動に対し、当會は茲に謹んで哀悼の意を表すと共に、ご遺族の方々に衷心よりお悔やみ申し上げる。 李青年らの義勇は、咄嗟の判断として行われたものであり、人々が国境・人種を越えて本来そなえる一霊四魂なるものに灯をともし、日本国内に大いなる感動を与えた。 大韓民国ならびにわが日本のこの二柱の御霊の義・侠・勇・誠の魂を、それぞれの国の民草に語り継ぐことこそ、日韓両国のより良き友好と発展の礎となると信じる。 悲しくも散った両御霊の行動の結果は、遺族の方々に大いなる悲嘆をもたらしたと拝察するも、国民大衆の間では、結果として人として正しく生きたことの厳しい結末を越え、その根底をなした美しき・うるわしき自己犠牲の精神に、日増しに賛辞の声は高まった。 「新大久保の勇気の輪」と題された読売新聞報道によれば、同様のシチュエーションで、線路に転落した妊婦を数名で救出するなどの例が全国各地で報告されている。また、総理大臣顕彰の授与、新大久保商店街のご婦人方によるカンパによって通行人から約80万円の寄付金が集まったこと、新大久保駅職員が終電を見送ったあと、毎夜、現場で合掌していること、新大久保駅構内に顕彰碑が建立されることなど、実に枚挙に暇がない、それぞれの鎮魂のけしきが展開された。 また、JR東日本は、2月6日、今回の痛ましい事故を教訓に、安全面での再点検を志すなど、状況改善に努めている。(関連画像) 願わくは、昨今の「見て見ぬふり」「我関せず」の風潮を少しでも是正するためにも、こうした義挙が広く長く人々の間で銘肝されるようになることを切に望むものである。 平成13年2月8日 鐵扇會 (この文章は、喜楽会員の原案をもとに、taka・大和士魂両執行部員が作成、會長が監修しました)
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