週刊新潮 2/22号
■ NHKが困惑する特番「戦争をどう裁くか」騒動
「番組製作に全面的に協力した私たちは、到底この番組を
受け入れることはできません......NHKとして責任ある説明を 求めます」
「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(松井やより代表) が、そんな断固とした「公開質問状」を、NHKに叩きつけたのは 2月6日のことだった。
問題の番組とは4夜連続企画「戦争をどう裁くか」の第2回 として1月30日に放送された
「問われる戦時性暴力」。
同ネットワークが主催し、従軍慰安婦など日本軍の性暴力を 暴いた昨年12月の「女性国際戦犯法廷」を題材に、戦時性暴力を断罪し始めた世界の動向や、その問題点を 浮き彫りにする内容だったが......。
「主催団体名や肝心の判決内容(天皇有罪・国家責任の認定)が 一切紹介されなかったばかりか、法廷に対する不正確な 誹謗や批判が一方的に放送された、というのが公開質問状の主張。しかもそれが、右翼などの圧力によって、急遽、内容が 差し替えられた結果だというんですから穏やかじゃない」 (放送記者)
「事実、放送直前の1月27日と28日に、「維新政党・新風」や 「日本世論の会」などの有志三十名余がNHKに押しかけ、 女性国際戦犯法廷は「反日・偏向」の政治集会だとして、 放送中止を求める抗議行動を行った。「大日本愛国党」は 街宣車も出しました」 と事情通が解説する。
「そればかりか、実は同じ頃、NHKの番組製作の責任者である 伊藤律子・番組制作局長が自民の大物議員に呼び出され クギを刺された、という噂が局内でささやかれているんです。 慰安婦問題は政治的に微妙な問題ですから、そのくらいの圧力が あっても当然ではある」
もしNHKが "外圧"に屈して番組内容を差し替えたとしたら、 公共放送として大変な汚点だ、
NHK経営広報部はそんな疑念を 否定しようともせず、
「NHKの番組は放送法に則り、NHKの判断と責任で製作し報道しています」
という的はずれなコメントでお茶を濁すばかり。
「少なくとも、放送直前の内容差し替えは、ほぼ間違いないでしょう。 シリーズ4本のうち他の3本が正味44分なのにこの回だけが 40分という編集の不自然さ。加えて、番組内で「法廷」の 様々な問題を指摘している秦郁彦・日大教授をNHKが取材したのは 放送のわずか2日前の1月28日という事実は決定的な証拠ですね」 (前出記者)
公開質問状への回答は、2月中旬には出る予定。その内容如何では、 左翼右翼の再度の挟撃に晒されかねないNHKなのである。
(週刊新潮2/22号34ページより)