終戦記念日企画 終焉の日
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 昭和二十年八月十五日。三年九ヶ月に及ぶ日本が経験した最大最長の激闘に幕が降りた。そしてそれは世界に名を轟かせた聯合艦隊の終焉でもあった。“江戸”という時代を生きてきた人々がその原形をつくり上げた日本海軍は、西洋から買い付けた小さな船から出発。そのわずか60余年後には計250余隻100万トンを超える排水量を有する純国産の大海軍へと変貌していた。そして迎えた対英米蘭開戦。戦時建造艦は開戦時の保有数を大きく上回る380隻に及び、3年9ヶ月の激戦に投入された艦艇は630隻を数えた。

 だが現在、海に浮かぶその勇姿はない。多くは大平洋の底に静かに眠っている。開戦後まもなく沈んだ艦、歴史に残る大海戦で散った艦、暗夜の海峡で人知れず消えた艦、敵艦と刺し違えた艦、終戦を目前に力尽きた艦。その時期、かたちはそれぞれであったが皆“海底”という同じ墓標のもとに永い眠りについたのである。だがわずかではあるが激闘を見事に生き抜き、終戦という一つの時代の終わりを海上で迎えた艦もあった。大小新旧を問わなければその数約230隻。しかしそのほとんどは特務艦艇や一般艦艇であり、いわゆる“軍艦”は極めて少数であった。さらに言えばこの数字は“沈没を免れた艦”の数であり、“船に見える艦”の数である。要するにそのほとんどは大破、中破、着底、転覆、擱座、燃料残無し等の状態にあり、もはや船として最低限必要な条件すら満たす事叶わぬ形であった。

 長い戦いを耐え抜いたその艦艇達は、心があるならばどんな気持ちで終戦の時を迎えたのであろうか。そしてその後どういう運命を迎えたのであろうか。平成十二年の終戦記念日にあわせて、闘いの終わりを海の上で迎えた艦艇の物語を記し、その功績と誇り高き魂に最大限の敬意と感謝を捧げる。

終焉の日